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2004.03.31

怪獣と昭和

 ゴジラは単なる恐怖映画ではない気がする。第五福竜丸の被爆→被害者→加害者→アメリカ→敗戦→民主主義→国家神道→間違っている→日本人→アイデンティティ喪失→タナトス→戦後復興→破壊、といった矛盾を無意識のレベルで表している気がする。
 小学何年だろう、たまたまテレビをつけたら(いつ何時かは、ちゃんと調べれば分かるのだが)三島由紀夫の割腹事件の生報道中であった。そばにいた、父親が「おい、これは‥」といって、テレビを食い入るように見始めて、何事かと思った記憶がある。ものごごろついてから、そういえばあのとき、と整理した経験だが、どうも自分にとって、確実にこの世はなにか矛盾をはらんだものである、という認識をそのとき確立させたのではないかと思っている。
 いかりやさん(ドリフターズ)の訃報で、昭和40年代を振り帰ったら、気になることがいろいろ出てきて、Web上で調べていたら、円谷英二の特撮怪獣映画、中でも父親に連れて行ったもらって見た、「海底軍艦」や「妖星ゴラス」のことを思い出した。さらに、最近DVDが発売されているのを知って、早速取り寄せて見てみた。
 なんだか、結局これが自分の原点か、と大げさに思うほどである。何がって、幼少時に見て大きなインパクトを受け、物事の認識のベースがここにある。
 特撮というのは、現実ではない。だが、もしそうだったら、こうであろう。というイマジネーション(想像力)の極みみたいな表現行為である。アニメは同じことを、表現出来る(出来ないから)アニメという手段に(前提)にしているのだと思う。円谷英二の「ハワイ・マレー沖海戦」はGHQが実写フイルムだとして没収したという。父親も含め、敗戦後20年間は、だれも日本が負けたと認めたくなかったのである。それを無意識に押し込めておいて、作られたのが、東映の特撮怪獣映画であったのだと、DVDを改めて見て思った。
 

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