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2005.07.21

「宇宙戦争」

 ゴジラからはじめたブログだから怪獣映画「宇宙戦争」について書かないわけにいかなくなった。久々の記事。

 この映画に関するコメント(評)は,Web上で賛否両論だが,私は絶対に良い映画だと思う。特に,「宇宙人が地球の環境に適応できないなんていう陳腐な結末」という意見があるが,そういうのは生命史を知らない見方だと思う。そもそも地球上の生き物がこれだけ進化(良い方向とは言ってない)してもなぜ単細胞の微生物は滅びないのか。その答えを人類はもっていない。おそらく,すべての単細胞生物を根絶やしにしようとしたら,他の多細胞生物も絶滅するだろう。生態系の連鎖を断ち切ることになるから。すなわち,地球上で我々は共生しているのである。
しかも,地球の歴史から考えれば,単細胞生物が主役であって,人類など新米のペイペイである。原核細胞だけで15億年,さらに真核細胞(葉緑体やミトコンドリアの共生)になって10億年である。かくも長き単細胞時代が地球の生命史の大半である。そのことを知らしめるための映画だと言いたいくらいになってきた。
 たとえ宇宙人が,その惑星の微生物環境までも克服できる対策をこうじるとしても,要するに宇宙服を着るとか,その環境を遮断することになるだろうから,侵略のうまみは得られないということになる。この映画で,宇宙人がヒトの血を吸うことが分かるシーンで面白かったのは,吸う管が明らかに「蚊」のそれを巨大にしたものだったことだ。そういった,文明批評的な見どころがいっぱいで好きである。
 地球環境問題のもっとも単純な解決法は,元凶となっている人類を滅ぼすことであろう。それには,テロや戦争や天変地異という地球の内的な要因ではなくて,宇宙レベルで退治しないとダメだ,というのがスピルバーグの示したかったことではないのかしらん。と,私は思っている。同じような話として,メル・ギブソンの「サイン」がある。こちらはテーマが「宗教」だがこれも好きな映画だ。良質な表現というものは,人間の深層をいかにさりげなく表すことなのではないかと思う。
 

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