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2005.08.31

草の者

 1985年にNHKで放映された大河ドラマ「真田太平記」がDVDになったのでAmazonで購入してこの夏,見ている。
 とにかく時代劇が好きで,古くは「素浪人月影兵庫」から話したくなるくらいだが,それはおいて,おそらく多くの人が,この時代劇のDVD化を待望していたのだと思う。それくらい良くできているシリーズだった。大河ドラマといっても当時NHKの水曜日に放送されていた枠のもので,どういうか家族で毎週欠かさず見ていた。
 いろいろ,考えが浮かぶのであるが,先ず,1985年という頃のこれは,家族みんなで見るテレビドラマの最後かな,と思ったりする。もちろん,我が家での,という意味でもあるが,全国的にもそんな気がする。NHKの大河ドラマが全国のおらが県を舞台にするかどうかというのは大きな問題であったり,今年の大河ドラマを毎週見るかどうかを家族が判断することも大きな問題であったりしていた傾向が年々廃れていっている,という意味でもある。若者向けのいわゆるトレンディードラマ,というものがバブル絶頂へ向かって台頭しはじめた時期でもあっただろう。
 また,太平記という栄枯盛衰物語が日本人にとってきわめてポピュラーなものであることもあげられるだろう。大河ドラマ=栄枯盛衰譚でもある。1991年放映の大河ドラマ「太平記」は古典の「太平記」を基にしているが,これもとても印象に残っている。当時ロシアのゴルバチョフがへたなクーデターかなんかをやっていたのが,このNHKドラマとダブって見えた。近頃,小泉首相が比叡山を焼き討ちにした信長に比せられているが,結構最後まで長生きする人の話の方がやはり好まれるのではないだろうか。
 当時,新鮮だったのは,タイトルの「草の者」である。忍者は海外でも人気があるとおりなのに,子どものころの忍者ごっこの思い出が「草の者」と言い換えられて,少し大人になったようなサプライズがあった。
 弱小真田が家康や秀吉に互して戦うという痛快さが中心だが,「草の者」を駆使した情報戦という近代性を感じさせ,時代に翻弄させられながらも,生き残ることを目的とした機能主義としての家族の絆や「草の者」のようなものも差別しない小企業的なまとまり,すなわち規模や体裁よりは足下の実質を重んじるということが打ち出されている。テロではなく,ゲリラがやはりこれからもブレークスルーになるのじゃないでしょうか。

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