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2006.03.31

マルチのこと2

 スティーブン・キングのホラー小説を読んだきっかけは,またまた,養老さんである。なかでもマルチのことがあるので,「ペットセマタリー」は印象深い。セメタリーは埋葬地,ペットの共同墓地の話なのだが,子どもが作ったものなので,cemateryとスペルが間違っている,という。実は,その墓地の奥にかつてのインデアンの古い埋葬地があり,そこに死体を埋葬すると生き返るという言い伝えがある,というのである。ある家族がその近くに引っ越してくるのだが,その家族がかわいがっている飼い猫が,家の前の国道でタンクローリーにひかれて死んでしまう。奥さんと子どもたちが留守中のことで,父親は家族を悲しませたくないのでその埋葬地に埋める。すると何事もなかったかのように猫が生き返ってくるのだが,生き返ったものは邪悪な性格に変わっていて,異臭をはなっているのだ。そのせいで息子も死んでしまう,で息子も埋めて生き返り,息子が奥さん殺して,奥さんが生き返り,自分も‥‥という話である。こう書くとアホみたいな話にしか思えないが,キングははじめにこの家族の愛をしっかり描写するので,読んでいるうちに主人公の行動にぜんぜん違和感がなく,俺だってそうする,と思わせるのである。しかも,人に見られないように死体を埋めたり,掘り出したりする描写が怖い。最愛のものの死体はその当人には怖くもないもの,ということを逆手にそう言う話をえがくところがにくいばかりである。
 あまりに怖いので,夜は読まずに昼間電車の中で読んでいて乗り越しそうになってあわてて降りたら,目の前に棺桶が置いてあって(ホントに未だに何でか分からない)現実までホラーになったことがある。マルチのことも含め,こういうシンクロニシティー(偶然の一致)があったりすると,やっぱりあの世があるに違いないと,私の脳も思うのである。

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