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2006.03.12

マインド・タイム3

 数学者が,取り組んでいる問題の答えを意識していないときに突然見つける,ということが知られている。ユリイカというやつである。無意識といえばユングだが,この問題はこれからいろんな方面へ波及していくだろう。たとえば,そんなに0.5秒も遅れがあってどうしてイチローはヒットが打てるのかとか,見えないものが無意識では見えているかもしれないとか。
 はじめに,科学と言ったけれど,脳(意識)が脳のしくみを理解するというのは容易なことではない。この本は,そういった反証可能性に逐一言及していて,デカルトの心身二元論とか,霊魂の問題とか,あの世の有無にもまじめに答えている。唯一仮説になっているのが,自己同一性の問題だ。夜寝て,朝目が覚めても,心神喪失しても,一時的に記憶喪失になっても,脳のどの部分が損傷しても,我々は自分をいつでも自分であるとわかるのはなぜか?脳とコンピューターがどう違うのかは,その辺にあるはずである。意識というものだけで脳という神経回路を考えると人間を機械のように考えてしまうが,人の不可思議さを神にゆだねないで科学的に解明しようとする苦闘のような業績だと感じる。

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