ダイヤモンド富士
日本人にとって,富士山ほど共通の心象風景はないだろう。とにかく一番高い山が秀麗な成層火山で,不二のやまなのだ。日蓮が身延山,七面山に開基したのは,お彼岸に富士から日が昇るのを拝むためだと聞いたおぼえがある。関東平野からは富士山に沈む夕日がどこでもだいたい年に2回は見られことになる。これを皆既日食のダイヤモンドリングにも匹敵する見もの,現象としてダイヤモンド富士という呼び名がいつしか成立したようだ。
自然現象としては完全に予測でき,天気さえよければ毎日のようにどこかしらの場所で観察可能であるから,これに凝っている人が大勢いる。東京あたりはちょうど冬の天候の安定している時期にあたっていて夕日が見える確率も高いので,数年前から私も見たいと思ったが,普段の日は働いているからなかなか機会がない。見える日と場所は,カシミールというフリーソフトで簡単に調べられる。太陽暦なら,そのポイントは毎年ほぼ同じである。建国記念日という祝日に近くの場所で観察できると知って,昨年もカメラと三脚を担いで出かけたが,雲が邪魔してみられなかった。それで,昨日やっと見ることができた。記録的な暖冬のわりに冬型がしっかり出現した日で,空気が澄んでいて太陽光が強すぎる日の入りだった。もう少し空が赤く染まって富士山のシルエットが見えるとよかったはずで,納得のいく写真を撮るには毎日のように出かけていくしかないようである。
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