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2009.05.31

温暖化問題(3)

昨年来の更新である。温暖化という問題が問題であるというのは,そもそも誰がそんなことを言い出したのか,という起源の話になるので,いろいろ調べてみようと思っていたら不覚にもS・R・ワート著,増田耕一訳「地球温暖化の〈発見〉とは何か」みすず書房(2005)という本があることに今頃気づいた。もちろん早速読んでみた。温暖化を論じるには,まさにこのタイトルそのものの認識がまず大切だと思う。温暖化は実際に「ある」ことがらというより「発見」された見解である。どういうことかというと,「20世紀末(1970年代以降の)の世界的な平均気温の上昇傾向」は事実としてあるものの,これを科学的な立場から言えば「温暖化」とは言わずに,「気候変動」の一部と見るのが正しいはずなのである。「気候変動」は地球の気候システムにみられる,地球の平均的な大気の状態のブレで,そのメカニズムは完全に解明されてはいない。この本には,それがいつの間にか人類の活動が地球に及ぼす影響としての人為的な「温暖化」であるという見解となっていくまでの経緯が書かれている。科学者にとって,大気中のCO2の増加による温室効果の増大=温暖化=現在の気候変動とするかどうか明言できる人は多くないはずなのに,いわば成り行きでそうなってしまったといえなくもないのである。
昨年になって,この見解に大きく異が唱えられるようになった。丸山茂徳氏らの一連の著作(科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている,宝島社新書など)などである。これは一般市民(私も含めて)にとって,寝耳に水のような話である。もしそうなら昨今のエコ指向や京都会議の削減目標とは何だったのかと言うことになる。何を隠そう,2006年にNHKが放映した「気候大異変」のIPCCの報告や地球シミュレーターの結論を真に受けて,私は理科で環境学習の授業を行っていたのである。温暖化CO2犯人説が怪しいというのは,確かに冷静に考えれば傾聴に値する。これは,養老さんも言っているが,いくら日本人がCO2を削減したとしても,世界的に排出されているCO2の5%にしか寄与しないのである。養老さんはつぎのように言う。
いわゆる温暖化問題は、知恵者が考えた、(石油の)ピークアウトに掛けた煙幕ではないか。私はそれを(そうに違いないと)疑っている。クリントン政権の副大統領だったゴアが大声を出し、それに対してノーベル平和賞が出たのもにおう。いわば欧米がグルになっている。ゴア自身は自宅の過大なエネルギー消費を批判されたが、そもそも炭酸ガスを出さないようにするのが「倫理」だというに至っては、笑うしかない。政治家に倫理を求めるのは「八百屋で魚を買おうとするようなもの」だからである。政治は倫理ではない。現実の取り扱い方である。その政治家が「倫理」だというのでは、本気のはずがない。何かの宣伝に決まっている。(()は加筆)http://voiceplus-php.jp/archive/から
全くその通りじゃないでしょうか。この先のことをまじめに考えておくのが肝要だと思います。とりあえずここまで。

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