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2012.07.27

素粒子論と宇宙の本

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世界の究極の成り立ちを知ろうと考えたり,現在明らかになっている宇宙のしくみを学ぼうとするのはヒト(知脳を持った宇宙人のとりあえず代表みたいなもの)だけにゆるされた大きな役割かつ楽しみではないだろうか。もちろん,そんなことに全く興味のない人も多い。また,知ろうとするとそれは高校でやった物理という分野の知識であるというだけで考えたくないという反応を示す場合も少なくない,というのが一般的状況かもしれない。しかし,イヌやネコないしその他の生命に世界とか宇宙とか考えることはできない。だからヒトはえらい,というより,その土台となっている地球環境と進化という観点からはイヌやネコなどにも地球上の生命の先輩という意味で敬意を払う必要がある。なおさら使命感は大きいと私は思うのだが,そんなことますますどうでも良いことと思われるかもしれない。
とにかく昔から,星や宇宙のことに興味をもって,高校時代にはアインシュタインの相対性理論とかハイゼンベルグの不確定性原理とか宇宙は膨張しているとかブラックホールとか,そんなたぐいの啓蒙書をよく読んでいた。それらの中身を実際に理解するには高度な数学を学ばなくてはならない。その専門家にはなれなかったが,大学では理系に進んだから興味は維持していたし,学校で教える上でも,いわば素養である。
それで,話題としてその後,ワインバーグの「宇宙創成はじめの3分間」とか「ホーキング宇宙を語る」といった本があり,インフレーション宇宙論とカミオカンデのニュートリノ,それからしばらく,目をみはる話はなく,もやもやとした時期だったが,2000年を過ぎてからインフレーションの名残や宇宙の加速膨張の発見,2008年の南部,小林,益川のノーベル賞受賞,ダークマター,ダークエネルギーの謎,素粒子論でも超弦理論や超対称性があらためて注目されるようになり,CERNのヒッグス粒子発見のニュースへと俄然脚光を浴びはじめたように思う。4000060430_3

いずれにせよ,私自身も世界の究極の成り立ちを知りたいと思いつつ,そのヒッグス粒子ってなにとか,加速膨張ってその理由がダークエネルギーってどういうこと?とかわけが分からないことだらけである。かといって行きがかり上,知らないで済ませたくはない。2007年にIPMU(東京大学数物連携宇宙研究機構)ができたことは大きく,知りたいという一般の人向けに機構長の村山斉さんが活躍している。数年前に村山さんの講演を聴いて,小林益川理論が宇宙のはじめにあった反物質の謎に関わっていることを知って感動し,以来「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」(集英社インターナショナル)などの啓蒙書に心酔している。一方,この世は時空4次元に加えて余剰次元が6次元あり,カビラ・ヤウ多様体にたたまれているというそのヤウという人の書いた「見えざる宇宙のかたち」(岩波書店)はさっぱり理解しようがない本だった
しかし,最近,村山さんと同年代で超弦理論の研究第一人者であるの大栗博司さんが,本をだした。「素粒子論のランドスケープ」と「重力とは何か」(幻冬舎新書)である。こちらはヒッグスや南部さんの業績に関わることが本当に説得力をもって一般の人向けに書かれていてわかりやすく感動した。結論はこの2冊の本が今年一番のお薦めであるということです。
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