« 素粒子論と宇宙の本2 | Main | 深谷断層見学会 »

2013.05.06

最近のプラネタリウム

このGWは3日に川崎市宙と緑の科学館プラネタリウム(メガスターⅢフュージョン)の特別投影①と5日にスカイツリーに出かけ展望デッキ登頂待ち時間にコニカミノルタプラネタリウム「天空」②を,6日は五藤光学の最新鋭機ケイロン③を世田谷区教育会館で見た。Megastar

 3つとも,大平さんのメガ化(恒星数100万個超)以来現在世界で最高水準を競っているプラネタリウムである。詳しくはないのだが70年代後半にミノルタの,池袋サンシャインプラネあたりから投影の自動化や星以外の投影(全天映画など)もおこなうマルチメディア化が進み,上映とか作品(昔は番組)とか呼ばれる投影が一般化している。昔からあったデート向け「星と音楽の夕べ」みたいなのも,②にはまだあった。また,プロジェクターによるデジタルの星空では,宇宙の別の場所から見た星空も再現できるので,特に①ではこれとの融合(フュージョン)が試みられている。番組もそれぞれの館がつくる時代から専門の会社やクリエーターによるものになっていて,今回③の番組(上映作品)は世田谷区教育委員会製作による「天の川をめぐる旅『銀河鉄道の夜』から」というもので,宮沢賢治の銀河鉄道のアニメーションと朗読があり,久々に内容を学んだりして「ほんとのみんなの幸いのためだったら僕のからだなんて百ぺん灼いてもかまわない‥」という台詞のところでなぜか涙ができてきてしまった。というように見る側のニーズや対象年令にもよるので,どれが良いのか判断はしがたいといえる。
もちろん,光学投影の質は恒星像がシャープになり,天の川が肉眼では見分けられない恒星による表現になってリアルな感じがするが,これも見る人によって(大平さんはオーストラリアの砂漠で見た星空を再現したいとNHKの番組で言っていたが),例えば実際の天の川を見たことがない人にとってはどうなのだろうか。光学投影の質は,個人的には①に軍配が上がると思った。ある意味①はよりリアルを追求するマニア向けといえよう。
 その,リアルの話を進めると,星見をしたことがあるとプラネタリウムには限界を感じる。ホンモノの空で見る星の光は,無限の彼方からやってくるので,たとえばオリオン座を地平近くで見たときのダイナミックな大きさが,プラネタリウムだと,すぐそこの壁に投影されていているものとして小さく感じて見える(角距離では同じだとしても)のである(人の眼はだませないというか)。そして,一番難しいのが夕暮れ時と夜明け前の表現ではないだろうか。どうも,ほんとうの空が徐々に白んじてあの群青色に変わっていく夜明けの薄明の何にも代えがたい雰囲気を上手く再現して欲しいと思うのは私だけだろうか。将来,投影面をすべて有機EL照明にして自在に光らせる時代に期待したい。そして太陽が,本物のようにまぶしく輝くといいんだけどなぁ。たぶん,大平さんは夜のことしか考えていないのだと思いますが,昼と夜の中間,枕草子「春はあけぼの‥‥」のリアルも追求して欲しいと思いました。
 まだまだいろいろな可能生を秘めているとは思うプラネタリウムですが,今後は,教育用,エンタメ重視,リアルの追求など何らかの形で分化し(棲み分け理論によって),進化するのではないかと思ったのでした。

|

« 素粒子論と宇宙の本2 | Main | 深谷断層見学会 »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18559/57325477

Listed below are links to weblogs that reference 最近のプラネタリウム:

« 素粒子論と宇宙の本2 | Main | 深谷断層見学会 »