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2013.07.27

風立ちぬ

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 ウィキペディアによれば,宮崎駿自身,「零戦、零戦と騒ぐマニアの大半は,コンプレックスで凝り固まり,何かに誇りを持たないとやっていけない人間です。思考力や技術力を超えた堀越二郎の天才的なひらめきの成果を,愛国心やコンプレックスのはけ口にして欲しくはない。」と述べているそうだ。
 そうは言っても私の父の世代の特に男性なら,日本が戦争に負けるはずがないという刷り込み(小中学生時代)と戦後その皇国史観に騙されていたというコンプレックスに対して「零戦」を,誇りにして生きていくのは当然だという思いがわき上がってきて,父親を思い出すと涙が止まらなくなってくる映画だった。小学校にあがる前くらい,はじめて父が買ってきたプラモデルが零戦だった。はじめはボンドでべとべとにしながらその後も,何回となく作った日本の零戦のカッコよさに比べ,対抗するアメリカのワイルドキャットとかヘルキャットの不細工な形を見て(コルセアは作った覚えがある)こんな日本が負けるはずない,と私ですらすり込まれたような気がする。30年も前にミュンヘンのドイツ博物館で実物大のメッサーシュミットとゼロ戦が展示されているのを見たときは感激した。当時,日本にゼロ戦の実物大の展示がほとんどないのは軍国的な歴史認識を目立たせなくするためかと疑ったものだ(現在は上野の科博や靖国神社で見られる)。
 この映画では,大正の関東大震災のようすが描かれているが,その絵コンテができた直後に3.11が発生したそうで,宮崎氏もどう表現するか悩んだそうだ(「風立ちぬ」パンフレットより)。とてもリアルというか防災的に参考にしたくなる映像でもある。その他,当時の町並み家の作り,SL,それから「シベリア」というお菓子を買うシーンなど,シニア世代にはたまらなくなると思われる大正から昭和の日本の美しい映像にあふれていて,子どもに見せるのはその意味で正解かも。是非,お孫さん(曾孫?)と一緒に,とお薦めしたい映画だ。
 映画の帰りに夜空を見上げると,都会の明かりにどす赤く染まった曇り空。トトロにも出てくる月明かりの夜空の澄みわたるような雲の表現を思い浮かべ,やはり宮崎駿を日本の誇りにしていいと思った。

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