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2014.12.30

映画「インターステラー」

Fw2
 映画「インターステラー」を見てきた。第一印象は,面白かったけれど現時点では理解されにくいだろうな。主人公クーパーは,宇宙SF映画として評価の高い「コンタクト」で宗教家の役を演じたマシュー・マコノヒー(あんまり知らない)である。コンタクトでは長髪だったし,今回は元宇宙飛行士(エンジニア)として登場し,一見ライトスタッフのイエーガー(サムシェパード)の雰囲気なので,ネットで調べてわかった。なんか,この2つの映画(コンタクトとライトスタッフ)を重ねて連想するのは私だけではないと思うような第2印象。また,前回書いた「ノア」同様,野外ロケ地がアイスランドというのは私にシンパシーを覚えさせる。そして,今年のアカデミー賞宇宙もの映画「ゼロ・グラビティー」よりかもっと重力がテーマになっているのは,宇宙物理オタク的傾向からは歓迎したい。超ひも理論は出てこないが,相対論や物理学の謎を解き明かせば人類を救う(言い忘れましたが,テーマは悪化した地球環境から人類がどうやって生き延びるか,その名もラザロ計画)ことが出来るというのは,想像力をかき立てます。

 変な話ですが,脳科学的にヒトの意識とか精神(愛とか倫理といった崇高な面)がどうやって生まれ,また脳のどこにあるのかは解明されていません。愛なんて子孫を絶やさないための本能的な無意識を意識化させたものに過ぎない(という途中にクーパーの台詞あり),とか言ったとしても多くの人は納得しないでしょう。それと霊的な経験も科学的には解明されていませんが,これらを実際に解明されていない物理学の事象に結びつけるのは自然なことではないかと私は思っています。例えば,黄泉の国とか霊界というのが実際に在って,現在の私たちには認識できない異次元(物理的に想定できる)にあるという想像です。これが,インターステラーのもう一つのテーマです。「愛は時空を越える」と予告編にもあります。いろんな伏線が解けていく過程で親子の絆とか愛に(ネタバレですが,親子の年齢の逆転とか)感動してしまうので,つじつまの合わないことなど気にせず見られると思います。
相対論とかワームホールがホンマかいな(あるいは意味不明)という人もいるようですが,大栗さんの話なんかとけっこう整合性のあることを描いていたと思います。例えば,ブラックホールに近づくと事象の地平線,すなわち重力が光の脱出速度を超え,時間が止まるという特異点に到達してしまいますが,それを越えたらどうなるのかというのは,現在の理論では説き明かされていないわけで,こういうのはこの映画のようにもっと物語のしかけとして使われていいと思います。終わり近くの本棚のシーンは,まるで空間や次元や重力が幻想である(大栗博司著ブルーバックス「超弦理論入門」参照)のような映像で,私には納得がいくものです(なんて偉そうに)。最後に,宇宙はやはりパイオニアであるというメッセージが込められていたと思います。約3時間は長いですが,なかなか良い映画でおすすめだと思います。

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