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2016.04.18

秀吉と地震

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 ブラタモリの熊本城や熊本の回を見て,4月に入ったら熊本の地震である。活断層による直下型地震で,ブラタモリでは活断層は出てこなかったが,日本中の数ある活断層のなかで,いつ動いてもおかしくない断層が動いた。それほど活断層に詳しいわけではないが,ここにもあったのか,という感慨を覚える。しかも,あの熊本城の石垣が崩れている映像をテレビで見せられると,加藤清正があの世でどんな思いでいるかと感情移入さえしてしまう。
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 古地震学は,これまた一般的ではないかもしれないが,地質調査所で長く研究されてきた寒川旭さんの「秀吉を襲った大地震」(平凡社新書)が俄然脚光を浴びる(マイブーム的に)。この本を読むと,今回の地震は,プレート海溝型地震にある連動型地震のように,かつて西日本を襲った活断層連動型地震が再び起こるのではないかという話が浮かび上がるのだ。

 我々,20世紀後半から今の地震体験と言えば,1995年の阪神淡路大震災と3.11東日本大震災,これでも充分悲惨かもしれないが,秀吉の時代もすごかった。戦国時代の終わり近く1586年の天正13年に発生した富山岐阜,近畿東部までもを襲った天正地震,秀吉が天下人になって後の1596年(慶長元年)に大仏を壊し,できたての伏見城天守を崩した伏見地震,関ヶ原の戦いの後の1605年(慶長9年)の東南海津波地震まで。わずか20年間に3つの大地震が集中している。なかでも,天正地震に驚いた秀吉が,これを琵琶湖の鯰の仕業としたことが,地震と鯰の伝説をうみ,朝鮮で暴れすぎた清正が伏見地震でいち早く秀吉を見舞って,地震加藤の異名をとったこと。など,戦国動乱の歴史に「地震」が深く関わっていたことを知るトリビアな本である。しかも,伏見地震の3日前には,今回の地震の北東部の延長にあたる,別府湾で大地震が発生し(慶長豊後地震),四国の中央構造線沿いに400kmの区間で連続的に地震が起こっていたという。これと同じことになりはしないか思うのは,知識があればこそである。
 無論,当時の震源や地震の規模がどのくらいかは推定の域を出ないが,液状化の痕跡を考古遺跡の発掘にもとめ,それを手がかりに解き明かそうとする寒川さんの手法と姿勢には頭が下がるとしか言いようがない。同じような例は,幕末にもあり,また奈良平安時代も大地動乱の時代だっことは,もっと一般に知らしめるべきだと,今回をつうじてあらためて考えたことであるよのう。


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