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2017.01.12

漱石のこと2

 漱石のファンになったのは,高校の現国で「こころ」を読んだだけでなく,大学受験で浪人していたとき,ほとんど小説から小品まで読んだからだ。ちょうど岩波から何回目かの漱石全集が刊行中(1970年代中頃)で,父親が注文したため,家に次々に配本が届いていた(すでにほとんどそろっていた)。受験勉強するのがいやで,勉強よりこっちの方が人生のためになる,などと代償行為的に読んだのだった。

 我が輩は猫である,坊っちゃん,三四郎,あたりなら良いが,それから,門,行人などなんでこんなに暗い小説なのか,まったく受験生にとって悪影響しかないものにまで,ハマっていたのである。ただ,もっとも印象に残っているのは,漱石が朝日新聞社に入る直前に書かれた,二百十日や野分である。これくらい読んでいると,漱石の評論などを読んでも,よく分かるので,大学生の頃は江藤淳の「漱石とその時代」なども読んだ。最近でも,「漱石という生き方」や「草枕の那美と辛亥革命」なんていう本まで買って持っている。000069109442016_01_234_2
 没後,100年と言うことで,昨年NHK で作られた,ドラマ夏目漱石の妻もしっかり見た。シンゴジラの長谷川博己と尾野真千子(かくれファン)が演じていて,とても良かった。宮沢りえと豊川悦司のヤツは見なかったが。それから,NHKラジオのカルチャーラジオ「科学と人間」で,「漱石,近代科学と出会う」,は漱石が間違いなく理系に属する人間であることを示してくれる番組だった。これについては,次にしよう。
 
 生意気と思われるだろうが,知らない人が多いと思うので言っておくが,「野分」という小説,これはなんと社会主義を標榜しているのである。だから,その前に書かれた坊っちゃんが風刺小説だというのは実に鋭い指摘だと感心するのである。

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