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2017.07.15

著作権というけれど

 音楽教室で,練習のために演奏する楽曲に対して著作権料を払うかどうかがニュースになっている。著作権を守らなければならないというのは分かるが,この問題には線引き上グレーが必ずあるはずだ。死後50年とか発表後70年とかだって,恣意的なものだろう。有名なのは漱石が子だくさんで50歳で死んだから,鏡子婦人が印税収入のための著作権にこだわったという話。がめついけれど,さすがは漱石夫人というエピソードというべきか。
 自分で撮った動画をYoutubeにアップして,ちょっと試しにBGMを適当につけてみたら,たちまちこの音楽は著作権を侵害します,と運営側から指摘されて削除した覚えがある。ジャズのモーニンだったけど,まだ著作権フリーではない(確かに50年はたっていない,クラシックも演奏で分かるのかな)と改めて知った。
 この問題のために,JASRACという組織が存在しているのもわかるにはわかるが,偽物で儲けると言うんじゃなくて,一般に流布したいという目的に対しても一々目くじらたてていたら大変だろうなと思う。

 さらに,コピーというものそれ自体の問題がある。無論価格があって著作物が成り立つんだろうけれど,コピーができるから(古くは印刷技術の発達)そもそも出版物があるのである。放送局でダビングとか,映像のレイヤーとか,なしでやれるはずがない。現在学術雑誌などは多くが電子化されていネットで閲覧印刷も可能になっている。古いテレビ放送のお宝映像なんかが誰かの個人宅のVHSに残っているのが救いだったりする。2011年来地デジ化でコピーガードされているが,そういうもの自体が電脳デジタルのおかげそのものだ。やがてはお役所じゃないが,音楽はライブ配信のみ,一回見たら溶けて消える物にでもしないかぎり,著作権なんて守れないことになる。考えてみると,本は一度見たらそれきり読まないことが多いけど,音楽って何回も聞けるんだね(貸本屋というシステムがなつかしい)。

 著作権とよく似ているような気がするのだが,知的財産というものがある。これはフリーにした方が役に立つ。むろんいろんな発明にその人の努力やはたらきに見合う報酬をあげるべきだけれど,一旦できた叡智は,なんだって,そのうち人類共通の発明になる。将来人工知能になったら,人間は働がなくても良くなる(機械による生産で)はずなのだが,みんな人工知能に対しては,自分の職能という権利を脅かされると,戦々恐々としているみたいですね。

 

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