« 「縄文人の死生観」山田康弘著、角川ソフィア文庫 | Main | AI vs.教科書が読めない子どもたち »

2019.02.15

「平成精神史」片山杜秀著,幻冬舎新書

81m0iveaqil_4
 シンゴジラを見た後で,片山杜秀という人の著書を知って,ゴジラと日の丸や国の死に方などどれも面白く読んだ。平成が終わるということを,これほどうまくまとめてしまったら,他になにも書くことがない,と言っていいほどよくできている本だと思いました。

 いつの間にか平成が30年にもなって,もちろん昭和が62年あったから短いとはいえ,自分の生きていた時代といえば昭和で,すでに戦争も終わった昭和32年に生まれ,30年プラス平成の30年が自分のほとんどだったとすれば,半分は平成である。そう思ったのはつい最近になってからだ。多分同じ思いの人が多いと思うが,この半分のうちどっちが良かったかというと,絶対に前30年。昭和の高度成長期が誰だって夢のようだったと思うはずである。
 この本以外,例えば養老さんも平成とは煮詰まった時代,とか言っているし,なにより,オーム真理教,神戸の震災,アメリカ同時多発テロ,そして東日本大震災などという厄災が平成を特徴づけている。平らかに成らなかったのである。片山さんの専門は,右翼研究と音楽。社会現象(人)と芸能(人)を対比させるのが真骨頂だと思う。
 平成の今上天皇のイメージは,膝をついて被災地を見舞う姿に象徴される。そして,現代のインターネットの発明が1989年(CERN)で,平成の始まりと一緒。SNSの匿名コミュニケーションや浅薄なナショナリズムを煽る政治家の到来,まさに亡国の時代を改元やオリンピックで乗り切れるはずがない。心のどこかで,地震がくると願っている自分。自分に乗り移ったこの刹那主義を,客観視させてくれる良書だと思っているだけで良いのでしょうか。


« 「縄文人の死生観」山田康弘著、角川ソフィア文庫 | Main | AI vs.教科書が読めない子どもたち »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「平成精神史」片山杜秀著,幻冬舎新書:

« 「縄文人の死生観」山田康弘著、角川ソフィア文庫 | Main | AI vs.教科書が読めない子どもたち »

January 2024
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ

Recent Trackbacks

他のアカウント