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2019.03.27

AI vs.教科書が読めない子どもたち

51wi9mhstel_sx344_bo1204203200_ ようやく購入して読んだけれど、もっと早く読むべきだった。実際に「東ロボくん」という東大合格を目指すAIプロジェクトを行った人が、AIでは東大(偏差値65超)に受からないということを実証し、逆説的にAIなんてこんなものですよ、と言っている。ただし、MARCHクラスなら、具体的には偏差値55くらいなら受かるということも説明し、その程度のレベルの知能(あくまでも大学入試問題での競争)ではAIに負けると説く。なんともすごい本だというべきだろう。AIについて、いろいろ説明してくれてよくわかることが多い。まず、コンピューターには文章を理解させることがほとんどできないということで、どうやって入試問題(センター試験とか)に正答するのかといえば、問題文や例文と、選択肢の文との対応関係から導き出そうというのだから、ようするに統計的確率的なもの。極端に言えば、鉛筆をころがすようなもので、正答率が上がればいいという。アメリカでクイズ王になった、IBMのワトソンというAIも、問題文の語彙を選んで、検索にかけてそれらしい答えを見つけているのだそうで、ほんとにAIってそういうものかと改めて知ることができた。


AIが人間を超える、シンギュラリティ(技術的特異点)などというものが、「あるはずがない」という説明もよくわかる。機械学習やディープラーニングとか教師データの説明もあって、教師データが恣意的であれば、AIを信用するのは危険なのがよく分かった。そして、RST(リーディングスキルテスト)という読解力の調査によって、現在多くの中高生が教科書が読めないという状況を明らかにしている。この地道な調査について、文部科学省の人々や政府のお偉方はどう理解するのだろうか。多分無視しているとおもう。ていうか、首相からしてあの国語力ですから、絶望的だ。AIがもたらす10年後の社会についても、具体的で衝撃的で説得力がある。ユバル・ノア・ハラリ(ホモ・デウス)より先進的かもしれない。お勧めです。


 


 

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