映画・テレビ

2017.12.11

大河ファンタジー直虎

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NHKの大河ドラマが、ほとんど史実を反映しなくてよくなったのは(元々からとも言え)江~姫たちの戦国あたりだろうか。今年の直虎は、結構面白かった。前半はあまり見ていなかったのだが、途中からドラマとして見入ってしまった。特に、今川ってすでに桶狭間で消えているんじゃないの?というあたりから、井伊といえば彦根城だし、みたいな歴史好きにもすこし隙間を埋めている感じで引き込む要素があったと思う。
 
 徳川家康の描き方も去年の真田丸あたりで、認知されていたのもあってあまり違和感がない。柴咲コウや高橋一生の演技も注目を引いた。先週の「自然」君など唐突でも、ドラマツルギー、ストーリーテリングにはまってしまった。精霊の守り人よりファンタジー感のある、大河ドラマだったと思う。

2017.11.16

ブレードランナー2049

 SF映画の傑作のひとつと言われているし、前作の近未来の雰囲気がすごくて、見なくてはと思った映画を見てきた。ストーリーは続編なので、前作は見ておきたい。その1982年の前作で描かれていたのは2019年だったそうで、今回は2049年30年後だ。前作で印象的なロスアンゼルスの雨が降り続く中うどんを食べるシーンと同じ雰囲気、は健在で、それと音楽や廃墟のシーンに惹かれた。ストーリーより未来に行った気分を楽しむ映画だと思いました。

 あと30年で、車が飛ぶ時代にはなりそうにありませんが、ドローンによる監視社会も怖い気がします。ホログラムの彼女は、あと20年くらいで実現するんじゃないでしょうか。彼女の着ていた黄色いビニールの上着がほしいと思いました。レプリカントは、まあクローン人間というところで50年後くらいにはありえますね。いずれもディストピアが近いという気がするのは、みんな感じているんだなと思いました。

2017.10.21

NHKの北斎番組

 9月から、宮崎あおいが演じた娘のお栄(応為)のドラマ、ほか北斎とゴッホ、神奈川沖浪裏、赤富士などの北斎をテーマにした番組が、数えたら7つもあった。大体録画してみて、改めてすごい絵師(画家)であることを認識した。富岳三十六景は70過ぎてからの仕事とか最初の赤富士はピンク富士だったとか、神奈川沖浪裏の波の形はフラクタルで5000分の1秒のハイスピード撮影でなければ見えないとか、どれも超絶技の話が面白かった。天才であるゴッホの絵にほとんど影響を与えているのだから、世界最高の画家かもしれない。

 生涯に93回引っ越しをしたとか、娘のお栄のジェンダーフリーな姿とか、生き方も好きになる。

 選挙があったり台風が来たり、世間は騒々しいが、運慶だの北斎を楽しむ方よほど良い。

2017.10.19

NHKEテレオイコノミア「おしゃれの秋!ファッションの経済学」

 NHKばかり見ている。民放のコマーシャルはうるさいし、そもそもつまらない番組が多い。で、表題の番組だが、流行ということについて考えていた。流行とは何か。
 基本、今までになかった新しいものである。しかし、変なのもでははやらない。みんながほしがるもの?というと、まず、誰かがこれ良いよね、という始まりがある。ここで良いとは何か。ファッションの場合、場合によってはぜんぜん機能的なかったり、ほんとに意味の分からないムーブメントであることもしばしば。予測ができない。又吉という人もそういった人にはない流行をつかむ感覚の人だと思う。 篠原ともえも出ていて、この人は結構普遍的な感性を持っているし。

 スノッブとバンドワゴンという話など、社会心理学の用語らしいが、面白かった。

 若い女性がワンレンボディコンという時代が思い起こされる。で、逆説的に今より80年代は、皆貧乏だった。大学生がスーツを欲しがったという。ただし、就活のためではなく、彼女とデートするのに必要だった、というのを今さら思い出した。現在の学生など、ファッションなど二の次で、昔の方が洋服への出費が多かった、とか大いに発見がある番組だった。l

 

2017.10.02

ETV特集 いきものがかり水野良樹の阿久悠をめぐる対話

 もう,先週の番組だが,タイトルからして面白そうなので録画して見た。いきものがかりは,結構昭和が入っていると言われているし,作詞作曲も上手い。水野は,もう個人的な思いが普遍的に伝わる時代ではない。一人一人異なる価値観や経験の時代にどうやって曲を作るか悩み,70年代に時代をとられていたという阿久悠について,思いをつのらせたという。ロッキングオンの渋谷陽一が,その昔,ビートルズはそれまでの欠落部分を補うことでヒットした,と言ったように,70年代の歌謡曲はピンクレディーに象徴されるような実験的な奇抜さがあって,そんな時代はもう二度とやってこないとも言えるだろう。しかし,北の宿からや津軽海峡冬景色のような,寒さながらに編むセーターとか,夜行列車を降りると雪だったりとかの叙情は,やはり阿久悠にしか書けなかったのだろう。番組の中で,糸井重里が「サカナはあぶったイカでいい」(舟歌)というのはもはや思想だと言っていた。
 
 番組では阿久悠作の「愛せよ」という詩に水野が曲をつけてレコーディング(歌手は山本彩)の様子までを伝える。なかなか,良いメロディーだし良い曲になっていた。これがコマーシャルではない(結果としてなったとしても)のがさらに感動的だった。
 
 上手く言えないが,これも昔のスネークマンショー(知ってる?)のように,良いものは良いんですよね,としか言えない。大衆芸術というか,万人受けするものは,これからも生み出されると思うし,水野の一途さが伝わってきて,いきものがかりをはじめとしてこれからの活動に期待したいと思った。

 

2017.09.17

昭和歌謡

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 NHKBSのたけしのこれがホントのにっぽん芸能史「J-POPvs昭和歌謡」を見た。このシリーズはどれも面白い。ただ,コミックバンドの回で,ビジーフォーが出てこなかったのが解せなかった。それはさておき,多くの人(中年以上)は,音楽は昭和を(それ以外でもだが)懐かしがるのではないだろうか。単に懐メロというだけでなく,単純に言えば,メロディーも歌詞も,インパクトもすでに実験済みで,平成の音楽は昭和か何らかのパクりか,気まぐれでしかない気がしてくる。

 この番組でも,結論はおなじで,とくにアイドルの発生パターンは,70年代の中三トリオ(森,桜田,山口)の出現を,80年代に松田聖子が踏襲した路線が,2000年代のモー娘からAKBへバトンに酷似している。また,平成の小室哲哉プロデュース(安室,華原など)は,宇多田ヒカル(母藤圭子)の昭和回帰によって終わった。みたいな解説は面白かった。

 どっちにしても,平成が来年で30年。21世紀も17,8年になるということをつくづく感じた。イチローが大リーグで3000本もヒットを打ってしまったんだから,時はそれなりに過ぎているのである。自分にとっては,子どもから青春時代の思い出が一番で,仕事とか大変な頃の音楽なんてぜんぜん知らない。けれどこういう番組をやってもらうと,いろいろ時代というものを考えさせてもらえる。振り返ることも,とてもためになる。とつくづく思う。


2017.09.07

デナリ大滑降

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 NHKスペシャルの「デナリ大滑降」(9/3放送)を見た。標高6000mを越える,アラスカのデナリ(マッキンリー)山を頂上付近からスキーで滑降するという冒険の記録。かつて植村直己が命を落としたあの山だ。すべて4Kで記録したという。とにかく,白い雪と透き通る青空が美しい。スキーで傾斜50度といったら,ほとんど垂直に見えるはずだ。ハラハラドキドキする。こういうドキュメンタリーに50分息もつかせず見入ってしまうのだから,下手な番組は見たくなくなる。映像化できる器材や登山技術の進歩もさることながら,人の体力の限界とか,撮影スタッフの強靱さ(だって主人公に同行しているほうが淡々としている)を思うと,なんてことだと思わざるを得ない。ヘリコプターからの映像もすごい(ドローンがもてはやされてるが)。金がかかっている。お薦めですが,再放送も終わっているみたい。残念。


2017.07.26

藤原新也の沖ノ島

 7月に世界遺産に登録されて,一般の人はもう立ち入ることができないという沖ノ島。藤原新也という人はそういう旬な場所を一歩先にかぎつける能力があるみたいだ。昨日BSでその番組を録画してみた。
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 小説まがいのルポというか,ほんとにそんな不思議なことあるの?というような話を次から次に書く人だと思う。同じことは,「みんな彗星をみていた」の星野博美さんにも共通する。世界を旅してエッセイを書くというのには少しあこがれる。藤原新也の場合には,写真がまたすごい。番組では,その場所で空気を感じ,その空気が写せると思ったらシャッターを切ると言っていた。大げさだが,たぶんその通りなんだと思う。直感を研ぎ澄ますというか,普段からそういう訓練というか,写真文学者というジャンルはこれまたあこがれる。8月1日まで,沖ノ島の写真展をやっているので見に行ってみるつもりだ。

2017.07.23

AIが政策提言

 またまた,NHKの番組なのだが,昨日の「AIに聞いてみた~どうすんのよ!にっぽん」である。少子高齢化,人口減少,医療年金問題など将来に不安を抱かせる日本社会の現状をNHKが独自に開発した人工知能に70万ものデータを入力してでた結果からマツコ・デラックスをゲストに討論する番組である。
 細かいことは,他に譲るが,浮き彫りになったのは40代の一人暮らしを減らさないと,日本の将来は危ないという後半の話だった。いま,40代の一人くらしの半分以上の人が非正規雇用で,結婚もままならないくらしをしている。まず,言われてみればそんな気がするが,2,30年前には40すぎて結婚してないなんておかしい,という常識がはっきりと崩れているという事実。で,そういう人たちの数を減らすにはどうすれば良いか,という質問をAIにぶつけると,答えは「賃貸住宅の家賃を1万円安くする」だった。
 
 番組を見ていない人につたえるのは,ちょっと難しいが,今まで政策的に行われてきたのは住宅ローン減税とか持ち家への補助。つまり,結婚前提で家族を抱えた人への厚遇のみで,上記のような一人暮らしの人への対策は何もなかったことに気づく。40代で独身貴族のような人は一握りにすぎず,このまますすめば,一人暮らしの高齢者がどんどん増える一方,そして,そういうライフスタイルは,地域のネットワークも形成せず,孤立した都市生活を加速することになる,という見方だ。介護とか福祉というのは,互助的な社会が前提と思うのだが,そうしたつながりを今後つくるしかない,とコンピューターがはじき出したように感じた。

 家賃が下がったら,一人暮らしが減る,というのだが,一人暮らしを減らすのに,結婚ではなくシェアハウス的な住宅,異世代同居住宅も紹介されていた。なんか,朝ドラ「ひよっこ」のアパート暮らしを思い浮かべた。どう考えてもあのアパートは一人暮らしじゃない,みんな筒抜けで,こんなの嫌だと,言うのがわれわれ今の日本人なのだが,そろそろあの時代にもどろうではないか,というのが正解かも知れない。いや,絶対正解だと思う。

2017.06.12

SWITCHインタビュー 古坂大魔王vs.田原総一朗あるいは反知性主義(森本あんり)

 ピコ太郎というのは,嫌いなのだが気になる。そのプロデュースをした(本人)の対談番組というので録画して見た。なにが嫌い(違和感)といって,あの風体は典型的な「ヤンキー」というもののはずだからだ。私のような世代からは,不良の呼称というのは,つっぱり,暴走族やスケバン,しかない。いつからヤンキーが不良をさす言葉になったのか,べつに知りたいと思わないが,不良つまり反社会的行動の質が反体制的ではない,体制べったりの不良。かといって右翼でもないし,思想的反骨が感じられない。斉藤環という人がマイルドヤンキー(化)という語を使っているけど,それがヤンキーの雰囲気を良く表していると私は思う。私の中には,暴走族にも一分の理,みたいなものがある。私が通っていた都立高校には,当時クラスに1か2人暴走族に入っているヤツ(友達)がいたし,学生運動の余韻というか反体制(左翼的教員もいた)的な空気が70年代というものだった。
 要するに,自分の欲目でしかないが,われわれの若い頃は時代的雰囲気が今より知的だった,と言いたいのである。
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 ICU(国際キリスト教大学)の副学長という森本あんり氏の「反知性主義」(新潮選書)はもう一昨年出た本だが,ピコ太郎とつなげて取り上げておく。ただ,ここで,現在,日本に反知性主義が蔓延していると言うつもりはない。この本によれば,反知性主義とは,アメリカという国の歴史に根ざした現象をさすものであって,決して反知的なムーブメントをさすわけではない。まあ共和党的なもの,キリスト教福音主義原理主義的なものではあるが,言葉として日本に当てはめるのは誤解のもとと言っておいたほうがいい。ただ,副題にもあるように,「熱病」のようにトランプ政権を誕生させたものの正体と考えて良く,日本にも,似た状況が生じているとも思う。イギリスやフランスがちょっと違うのは,簡単に言えば,歴史の古さと言える。とにかく,とてもためになったた本である。
 
 ピコ太郎こと古坂大魔王さんは,もともとお笑い芸人だったそうで,ネプチューンやクリームシチューなどと同年代で,ずっと売れなかったという。音楽(を取り入れたダンス)にこだわりがあることが,災いしたらしく,それでも,あの立川談志が高く評価していたというから,やっとブレイクしたということのようだ。本人曰く,お笑いが,風刺や体制批判をすることはもうできない(その反動で事務所やスタッフに迷惑がかかるから),バカをやって喧嘩や争いごとを少しでもなくせる(平和に貢献できる),くらいではないか,という。なんだか,聞いていて哀れになってきてしまった。行き詰まった末に,テレビでなく,50秒間の動画をネット配信(全部自腹だそうで)するという方法を考えついたのだという。テレビ(とともに活躍できた)しかない田原総一朗とは対照的に,メディアの持つ力をよく考えていると思った。

 なんだかんだ言って,結局教育だったのかと思う。東京教育大を筑波大に解体し,日教組をつぶし,教員採用試験や共通一次試験,一斉学力テストなどで,公立学校をしばり,イエスマンを大量につくることをジャブのように続けて今日に至ったのかなーと思う。あまり説得力がないが,模索をつづけます。